本物の真珠とは 〜本当に良い真珠の見極め方〜

真珠の価値は 総合評価で決まります

真珠はそもそも一粒一粒違い、それぞれの要素が複雑に絡み合うためにその品質を評価することは容易ではなく、他の宝石よりも評価が難しいと言われています。(ダイヤモンドのように統一された品質基準がないのもそのためです) 一般的に日本人には 光沢があって重厚な感じがし、色調はピンク系で丸い真珠が好まれており、高く評価されています。

真珠を評価する要素は6つあります。それが、巻・テリ・色・キズ・大きさ・形 です。 ここでは、あなたに「ふさわしい」真珠に出会ってもらうための“チェックポイント”を説明してゆきます。

巻き

巻き

真珠の価値基準の多くは、「マキ厚」によって左右されます。ここで言う“巻”というのは貝が体内に抱いていた真珠の芯となる核の上に巻いている「真珠層の巻きつけの厚さ」のことを指します。

わたし達は経験上から、しっかりと巻いた真珠は入射した光が各層で反射し干渉をおこすことで、独特の色や光沢を放つので より美しい真珠になることが多いことを知っています。

一般的には、養殖期間が長ければその分 巻も厚くなります。ただ、その為には 核を貝に入れる際の職人の技術や、使用する貝自体のコンディションを含む養殖技術、浜上げまでの水温やプランクトンの量などの、海の状態にも大きく左右されるなど、巻は様々な条件の違いによって差が生まれてしまう要素でもあります。

また、十分な巻がないと(真珠層の厚みが不十分だと)、真珠の耐久性に影響が出ます。 どうしても汗や化粧品に含まれる酸は、真珠を溶かしてしまいます。極端に薄い巻の真珠を、きちんとしたお手入れをせずに長い時間ご利用になれば、肌にあたる部分から次第に核は露出してゆきます。そして不十分な巻は、真珠の輝きにも影響します。

テリ

真珠の色目は様々な要素が調和した結果で決まります。 貝の体内で真珠が成長してゆく段階で巻き込んだ有機物の色や、何層にも重るたんぱく質層の色、 丸い真珠に光が差し込んだり跳ね返されたりする干渉という光の織りなすハーモニーが、一つの色では表現しきない立体的な色合いを生み出します。この立体的な色合い(輝き)を真珠では”テリ”と表現します。

上質な真珠をよく観察すると、中心部に出る色目と中心部の外周に出る色目が異なるのが分かるかと思います。 それよりも上質なものは中心部が強く輝き、外周部が透明に瑞々しく見えます。 さらに最上級ともなりますと、外周部が瑞々しさを通り越してネックレス全体が水の膜で覆われているかのように見えます。

その外周部の色が“実態色”で、中心部に出る色が光の透過による“干渉色”。さらに珠全体にかかる七色の輝きをみつけられたなら、それが光の反射による干渉色となります。 真珠の美しさの象徴といえるのが、この干渉色が織りなすテリです。

ピンク グリーン ブルー
テリ色ピンク テリ色グリーン テリ色ブルー

写真のような美しいテリは、真珠層の薄い真珠ではあまり見ることが出来ません。だから巻が重視されるのです。 真珠にとってこの色の奥行の有無が、良し悪しを見分ける一つの判断材料にもなります。

色 -バリエーション

真珠の色の表現には、ダイヤモンドの様に明確な色基準がございません。統一基準がないので、それを見る人によって千差万別の表現方法が存在する事となりました。 メーカーが共通の言語で表現しているものとしては、ホワイト・クリーム・ゴールド・グレーといったパッと見た際の色合いを表わします。

黒蝶真珠は、色のバリエーションがあこや真珠よりも広く、ピスタチオ(殻をむいた中身部分の鮮やかな黄緑)やピーコック(干渉色を伴う鮮やかな緑)など沢山ありますが、あこや真珠では基本的に、ホワイトのグループと 黄色のグループ、グレー(ブルーを含む)のグループの3種類が大まかな分類として挙げられます。

ホワイト系
ホワイト
ゴールド/クリーム系
イエロー
グレー系
グレー

キズ

真珠の評価基準の中でも、注意深く観察すれば誰にでもわかるのが“キズ”です。 珠の表面の滑らかな肌が少しでも乱れていれば、人によってはそれを「キズ」と呼ぶのかもしれません。 しかし、真珠は生きている貝が生み出すものですから厳密に言えば無傷のものは存在し得ません。 ですからキズの有無ではなく、その少なさで評価をします。

真珠の商いに携わる人間は テリや巻、色、形、大きさ等の評価要素の中で、キズや形においては妥協してでも、テリや巻をとる傾向があります。 それはテリや巻が真珠にとって一番大切だと考えるからです。 この2点に重きを置くことにより、耐久性にも影響を及ぼすことのない良い真珠と出会えることでしょう。

大きさ

“大きさ”は実は真珠そのものの「品質」には影響しない要素なのです。ただ他の品質的な要素が同じであれば、より大きなものほど「価値」が高くなります。

あこや真珠のネックレスは、0.5mm刻みで製作されます。例えば当店の場合「8.0mm×8.5mm」とあれば、クラスプ(留金具) 付近(この部分をスソと呼びます)から中心部(この部分をセンターと呼びます) 迄で約8mm〜8.5mm未満の珠を使用します。

またその際には、センター付近に一番大きなサイズの珠が来るように考えネックレスを作成しています。 言い換えれば「8.0mm×8.5mm」と表記されたネックレスは8.0mmよりも小さい珠を使ってはいけないし、8.5mmよりも大きい珠も使ってはいけないということです。

大きさ

当店では、小さいものであれば 「2.0mm〜2.5mm」のべビーパール、大きいものであれば「9.5mm〜10.0mm」まで取り揃えています。 現在日本産のあこや真珠では特別大きな物は少なく、他の全ての要素を満たした上での最大級の大きさとなると10mm弱あたりが現実的です。

あこや真珠独特の色と輝きを好まれ、その希少性をご存知くださるお客様には今でも根強い人気を誇るお品物です。

サイズ

形 -バリエーション・カタチと値段-

生きものが生み出す真珠だからこそ、様々な形が存在します。 ほとんどの真珠は、中心に軸を持つ左右対称の形をしています。 回転軸を縦に割ったときその円が まん丸なのが“ラウンド” 縦長が“ドロップ”・“オーバル”→ 総称として“セミラウンド”・“オフラウンド” 横長が“ボタン”と呼ばれます。 言葉だけを聞いていると難しいもののように思われるかもしれませんが、写真を見て頂ければ一目瞭然でしょう。

形とお値段の関係については、もしも全ての評価基準が同じで、形だけが違うとすると お値段は、低い方から ボタン→ドロップ→オーバル→ラウンドの順番に高価になってゆきます。 よってボタンとオーバルは、よりラウンドに近いものほど高価とされるのです。“形”については真円(まん丸)に近いほど評価が高いわけですが、真珠は工業製品ではありませんので、厳密には八方転がりの真円は存在しないと言っても良いくらいです。 つまり『いかに真円に近いか』で評価をします。

しかし、多少形は真円から外れていても 巻きが厚く・テリも良いものは、形は丸・巻きが薄い・テリも弱いといった真珠よりも評価は高くなります。

さらに 上記のカテゴリーに属しないのが“バロック”です。 この形は中心軸は取りにくいのですが、貝が育む独特の造形に奥深い魅力があり、ジュエリーに造詣の深い方々に とても人気があります。(当店では主にロングネックレスに使用しています)

ラウンド セミラウンド ドロップ ボタン バロック
形ラウンド 形セミラウンド 形ドロップ 形ボタン 形バロック

以上、真珠を評価する為の6つの要素を踏まえたうえで、続いては【貴方のネックレスと出会う為に】へ進みあなたの“ベストパートナー”となるネックレスを選んでゆきましょう。

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